こんにちは、エンヂニアです。
今日はブリスベンから2時間弱、ゴールドコーストから1時間弱のスプリングブルック国立公園に行って来ました。
いつもの通り結論から言います。
ブリスベン・ゴールドコーストエリア在住の方にお勧めできるのはもちろんのこと、同エリア旅行者の方も是非旅程に入れる検討をされることをお勧めします。
特に、3泊程度以上滞在される方は是非一日日程を確保して、ツアーに参加するなり運転するなりして足を延ばす価値があると思いますが、その検討に本投稿がお役に立てれば幸いです。
さて、それでは早速リポートしてみたいと思います。
スプリングブルック国立公園とは
まずは簡単にスプリングブルック国立公園について説明したと思います。主にこちらのサイトを参考にさせてもらってます。
スプリングブルック国立公園は、クイーンズランドとニューサウスウェールズに跨る世界遺産・ゴンドワナ多雨林群の一部であり、希少且つ豊かな生態系を誇る大森林地帯です。
そもそもゴンドワナとは、約3億年前に誕生したと考えられているパンゲアという超大陸が、2つの大陸に分裂したものの1つであり、更に後にはオーストラリア大陸、南極大陸、南アメリカ大陸、アフリカ大陸、マダガスカル島、インド亜大陸等へと分裂していくこととなる大陸のことです。
このゴンドワナ大陸は、多雨林に覆われていたと考えられており、この、ゴンドワナ多雨林群に群生するシダ類や針葉樹類の一部は、その当時(1億年以上前)に発生した植物と直接的な関連を持つ、貴重な遺産という訳なんです。
うーん、期待が高まりますね。
ブリスベンから2時間弱、ゴールドコーストから1時間
次いで道程のマップをどうぞ。
あれ?なんかゴールドコーストに寄り道?と思った方、正解です。
月並みですがラーメン好きなエンヂニア。
実は、先週に引き続きラーメン暖募にランチに立ち寄って来ました。
しかも11時の開店前に到着する気合の入り様。
片道1時間運転してラーメン食べに来たついでに足を延ばしてスプリングブルックに行ったのでは?と言う推測・憶測・あて推量は全く的外れですからね。
言っときますけど。
もう、全然。
外れ外れ。
いや、まあちょっとは当たってるかな。
さて、気を取り直して道すがらの写真をどうぞ。
帰り道の撮った写真ではありますが、ゴールドコーストから20分も走ると景色がだいぶ変わってきて、すぐに、森林浴が心地よい写真の様な道になってきます。
ビーチと高層ビル群のコントラストが美しいゴールドコーストに、更に異なるコントラスト・レイヤーを加えてくれ、旅の満足度を高めてくれること間違いなしと個人的には思います。
展望台: Wunburra Lookout
そして50分程走った最初の目的地のWunburra Lookoutです。
この写真だとちょっと分かりづらいのですが、左奥の方に、ゴールドコーストが見えます。
ここは絶景と言う程では無かったですが、まず手始めに立ち寄るには程よいかもしれませんね。
Purling Brookの滝
次の目的地は、Purling Brookの滝です。
ここの絶景度は、Wunburra Lookoutからはギアが一段上がります。多雨林感も俄然出てきますし。
入り口の標識です。
おっと、そうなんです。今日の投稿からはエンヂニア一家を少しずつ登場させていこうと思います。
両親に似ずひょうきんな娘の変なポーズ。
そう、あそこをむんずとしてしまっている息子。
そんな二人を見守る?妻。
そして歩き始めるとすぐに巨大な倒木が。
子供達(5歳と3歳)と比べてもらうとその大きさがよくわかると思います。
そしてこちらがPurling Brookの滝。
うーん、なんだかすごさが伝わらない。。。
水量及び滝幅はそれ程ではないですが、高さは106mあるとのこと。
日本にも落差100mを超える滝はいくつもあるようですが1)、迫力十分です。
さあそして、今日は早くもここでエンヂニア的豆知識(別名: 説明パネルの受け売り)。
なんでも、白い岩肌が見えている部分はrhyolite(流紋岩)という種類の火山岩で、硬く浸食に強い為、肥沃な土壌を形成せず、ユーカリの木や低木しか生え育たないんですって。
一方、写真ではちょっと見えづらいですが、下の方に行くと、Basalt(玄武岩)の層になっていて、こちらは浸食を受けてより肥沃な土壌を形成し、多雨林のようなより複雑な生態系を育んでいるそうです。
実はこのPurling Brookの滝、展望台が2つあります。前出の写真がそのうちの一つからの眺め、もう一つは滝の直ぐ左(滝に向かって)にあります。よく写真を見れば見えますね。
この展望台に行くには滝のすぐ上流を迂回するルートを通っていきます。
川の上を通る歩道を渡る途中で撮った滝川の写真と、その反対の上流側の写真を2枚続けて載せておきます。
そして滝真横の展望台からの景色です。こちらの方が遠くまで見渡せます。
一方で、滝はちょっと近すぎますね(下の写真)。それはそれでいいのですが。まあ要は両方行くに越したことはないということかと。展望台間の距離は400m程度なので折角来たのであれば両方行かない手はないと思います。
最後に、ウォーキングに興味のある方には、4㎞の周遊コースと、往復6㎞のコース(Warringa Pool)があるみたいですよ。
展望台: Canyon Lookout
次のCanyon Lookoutは、文字通り目の前がぱーっと開けるような開放感のある絶景ポイントです。
ってこの写真じゃ全然伝わらないですね。写真撮影の勉強しておきます。
そして柵のところまで行って左方向(ゴールドコースト方面)にカメラを向けた写真と、続けて、右方向の写真を載せておきます。
この右手奥に見える滝が、Twin Fallsじゃないかと思うんですが、確認は取れていないので参考程度と思っておいて下さい。
Goomoolahraの滝
続いてなんだかもうちゃんとした読み方すらよくわからない次の目的地です。
日本の避暑地の様な涼しげな小川。これが数分歩くと滝つぼに真っ逆さまとは分かっていても思えません。
そして今回の目的地の中で一番多雨林・”ジュラシックワールド”感が強かったのが、こちら。
でかっ。
この植物、他でも見かけたんですが、こんなに大きいのは皆無。通常のものより軽く2倍はあったと思います。
最後に滝です。まあこれだけ滝と断崖絶壁見てるとまあぶっちゃけ多少食傷気味にはなりますね。そんなところに先程の巨大植物が尚更新鮮でした。
展望台: Best of All Lookout
さあそして、今回の日帰り観光最後の目的地且つハイライトのBest of All Lookout(展望台)です。
ここまでの写真でもうお気づきの様に、この日の天気は曇り時々雨。雨がひどく降らなかっただけまし、と言う状況でしたが、ここは高度がさらに上がる為かほぼ雲の中。
駐車場がこちらの写真の様な状況。
「全ての展望台の中で最高」とまで言っている展望台。大いに期待していたところにちゃんと景色が見えるかやや不安に。
とは言え、当然ながらそれを理由に行かないわけでも何でも無いので、早速展望台に向かいます。
すると、塞翁が馬ではないですが、雲・霧がかかっている為に、展望台へと続く歩道がなんだか幻想的な雰囲気に。
もちろん晴れていればさっぱり気持ちの良い森林浴だったと思いますが、これはこれで良かったんではないかと思います。
次いで、ここスプリングブルック国立公園全体の観光名所の一つでもある❝Antarctic Beech Trees❞です。
と、ここでなんと本日二度目のエンヂニア的豆知識(別名: 説明パネルの受け売り)。今日は乗ってます(言い換え: 今日は説明パネルの写真を2枚撮りました)。
冒頭で説明した通り、オーストラリアはかつて存在したゴンドワナ大陸の一部。
地層・岩石に含まれる花粉の研究によれば、この❝Antarctic Beech Trees❞を含む❝Nothofagus❞、「ナンキョクブナ属」は、かつて、現在のアフリカ、マダガスカル及びインドに当たる地域を除くゴンドワナ大陸全土に広く分布していたそうです。
しかし、約1千万年前以降、オーストラリア大陸は全体として乾燥した気候に変化します。この過程で、多雨林の多くは消失してしまったようです。
なるほど、だからこそ未だに太古の面影を残すここスプリングブルックは世界遺産にも登録されているわけですね。
ここからはエンヂニアの勝手な推測も入ってきますが、2300万年前にTweed火山が噴火しなければこのエリアが高地として残ることも無かったでしょう。
高地でなければ雨の量も多くはなかったでしょう。
つまり、多雨林が残ることもなかった。
一方で、この火山は当時、存在していた多雨林を、広大なエリアにおいて焼き払ったのではないでしょうか。Shield volcano、つまり、粘り気の低い・サラサラの溶岩が広いエリアに盾状に広がった火山だったとありますので。一面焼け野原のハワイのキラウェア火山の周辺を思い出してみて下さい。
その破壊的な力が、約2千万年前の噴火停止後に起こったであろう森林再生を経て、その後・今や、多雨林を保存する要因になったのだとしたら、改めて自然の奥深さと壮大さを感じさせてくれると思いませんか。
因みに、ケアンズよりもさらに北にある(赤道に近い)、デインツリー国立公園にあるも、ゴンドワナ大陸の時代から残る多雨林で、世界最古と言われているようです。こちらは熱帯・亜熱帯になるので森の様子も全然違うみたいですね。いつか行ってみたいです。
すっかり前置きが長くなってしまいました。展望台からの眺めはこちら。上から、正面、左、右、とカメラを向けた景色になります。
いやー、素晴らしい眺め。
Best of Allかどうかはさておき、今回の観光の中でベストの眺めだったのは間違いありません。
因みに、最後の写真右手にとんがった山頂が見えるのがMount Warningです。もちろんTweed Volcanoの名残りです。この一帯全部かつてそうだったわけですからね。
但し、こちらは只の名残りじゃないんです。
かつての噴火口下にあったプラグなんです3)。正確性は欠きますがマグマだまりの一部と思って下さい。正確にはこちらをどうぞ。
そして、以前観光で訪問したSky point展望台に書いてあった説明によると、この山頂がオーストラリア大陸の中で最初に朝日を浴びるんだそうです。
素晴らしいですね。皆さんとんがって行きましょう。
さて、今日は少し長くなってしまいましたが、実際内容盛りだくさんでしたし、豆知識もエンヂニア自身が楽しめました。以前の記事でも言った通り、このエリアの地学的なまとめ記事を書きたいのですが、だいぶネタと(生焼き)知識もたまってきましたので、興味ある方はそちらも楽しみにしておいて下さいね。
記事中参照サイト
1) https://www.traveltowns.jp/falls/
3) http://museum.tweed.nsw.gov.au/ShapingTheLand
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